この記事の目的
みなさんこんにちは、ズーチーです!
以前ノズル径に対して、ライン幅や積層ピッチはどのくらいまで変動させることができるのか?を調査しました。

この時は定番の0.4mm径ノズルで以下の範囲なら実用可能レベルであるとの結果となりました!
- ライン幅はノズル径の75%~250%の範囲
- 積層ピッチはノズル径の75%以下の値まで
では、この条件はノズル径が変わった場合はどう変化するのかなー?とふと気になりました!
以前0.4mmノズルをこう移入した際に他のサイズもセットのものを購入して1.0mmノズルが余っていたので、ノズル径1.0mmの場合の出来栄えについて調査してみました!
結論として以下のことがわかりました!
○結論
- 見た目はライン幅0.75mm〜1.25mmまではどれも綺麗
- ノズル径に対して、75%〜125% 程度のライン幅設定であれば実用可能
- 設定したライン幅に対して実際の壁厚は10%以上厚くなる
- 積層ピッチ設定は壁厚設定の40〜50%としておくのが良い
- 壁厚の実測値は積層ピッチによらず変わらない
それでは結果について紹介していきます!
☆ちなみに私の使用しているプリンターとフィラメントは以下です!
※PEIシート使ってない方はマジでおすすめなので是非試してみてください!!

☆プリンターについてはこちら↓

①準備
先ずは検証に使うモデルの紹介です!
以前の記事でも使った、超絶適当に20mm□の立法体パターンを使用します!
スライサー設定のSpiralize Outer Contour(滑らかな外側輪郭)で壁1層のみのモデルとしてプリントしていきますよ!


このモデルを使ってプリントしていき、1層のみの壁の出来栄えがどう変わるかを見ていきます!
②ライン幅設定のプリント出来栄えへの影響
先ずは積層ピッチは固定してライン幅を変更していった時の出来栄えを確認します!
具体的な処理条件は以下です!
○処理条件
- フィラメント:Pxmalion製ABSフィラメント
- ノズル温度:240℃
- ステージ温度:100℃
- 冷却ファンスピード:60% (イニシャル0%)
- プリントスピード:30mm/sec
- ノズル径:1.0mm
- 積層ピッチ:0.5mm
- 壁厚(Wall Line Width):0.5〜1.75mm
結果はこちら!!
表:Wall Line Width(壁厚)設定影響
0.50mm![]() | 0.75mm![]() | 1.00mm![]() |
1.25mm![]() | 1.50mm![]() | 1.75mm![]() |
ノズル径1.0mmに対しては、当然0.4mmの壁厚が良いものと思っていましたが、
○見た目は壁厚0.75mm〜1.25mmまでは使えそう
という感じの仕上がりです。
以前ノズル径0.4mmで調査した場合は
ノズル径(0.4mm)に対して75%〜250%の変動幅までOK
という結果でしたが今回は
○ノズル径に対して、75%〜125%(±25%) 程度の変動幅であれば実用可能
と言えそうです!
また、透明フィラメントなので気泡がとってもわかりやすいですが、ライン幅1.25mmを超えると気泡が目立たなくなっているのは興味深いですね!
また、ノズル径1.0mm / 積層ピッチ0.5mm に対して、壁厚のノギスでの実測値は以下です!
表:積層ピッチ別 壁厚実測値
ライン幅設定(mm) | 壁厚Min(mm) | 壁厚Max(mm) |
0.50 | 0.89 | 0.97 |
0.75 | 0.92 | 1.06 |
1.00 | 1.11 | 1.23 |
1.25 | 1.39 | 1.44 |
1.50 | 1.50 | 2.07 |
1.75 | 2.09 | 2.40 |
○総じてライン幅設定より実壁厚は10%以上厚くなる
ということがわかりました!
やはりノズル径が太くなると制御性も悪いんですね〜
③積層ピッチとライン幅のプリント出来栄えへの影響
次に、積層ピッチを変更して同様の検証を行っていきます!!
具体的な処理条件は以下です!
○処理条件
- フィラメント:Pxmalion製ABSフィラメント
- ノズル温度:240℃
- ステージ温度:100℃
- 冷却ファンスピード:60% (イニシャル0%)
- プリントスピード:50mm/sec
- ノズル径:1.0mm
- 積層ピッチ:0.25〜1.0mm
- 壁厚(Wall Line Width):1.0mm
結果はこちら!!
表:積層ピッチ 設定影響
積層ピッチ:0.25mm![]() | 0.40mm![]() |
0.50mm![]() | 0.75mm![]() |
まともにプリントできたのは積層ピッチ0.4mm/0.5mmのものだけでした!!
0.4mm径ノズルの場合は積層ピッチはライン幅の75%以下ならどこでもOK
という結果でしたが、今回は
○積層ピッチ設定は壁厚設定の40〜50%が適正
と言えそうですね!
また、ノズル径1.0mm / ライン幅1.0mm に対して、壁厚のノギスでの実測値は以下です!
表:積層ピッチ別 壁厚実測値
積層ピッチ(mm) | 壁厚Min(mm) | 壁厚Max(mm) |
0.25 | 1.13 | 1.25 |
0.40 | 1.07 | 1.26 |
0.50 | 1.11 | 1.23 |
0.75 | 1.20 | 1.65 |
ピッチ0.75mmはうまく造形できていなかったのでおかしな値ですが、
その他の結果に関しては
○壁厚の実測値は積層ピッチによらず変わらない
といえそうです!!!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、1.0mm径ノズルを使った Wall Line Width(壁厚)幅設定と積層ピッチ設定のプリント出来栄えへの影響について紹介しました!
結果として
○結論
- 見た目はライン幅0.75mm〜1.25mmまではどれも綺麗
- ノズル径に対して、75%〜125% 程度のライン幅設定であれば実用可能
- 設定したライン幅に対して実際の壁厚は10%以上厚くなる
- 積層ピッチ設定は壁厚設定の40〜50%としておくのが良い
- 壁厚の実測値は積層ピッチによらず変わらない
ということがわかりました!
細かなものを作れるのが売りの3Dプリンターに対して太めのノズルなんていらんでしょ!と思っていましたが・・・
実際ものづくりしてみると、最終的には仕上げ研磨が必要な場合があるんですよね。
それでいてそれが単純な平面上の壁とかだったりすると積層を細かくする意味があまりなく
太めのノズルで積層ピッチを荒く処理した方が時短になって合理的となる場合があります!!
DIYユースではあまりなさそうですが、単純なモデルを量産したい時なんかは太めノズルもアリかもしれませんね!
3Dプリンター初心者の方の参考になれば幸いです!ではまた!!