3Dプリンター

【3Dプリンター条件だし】Wall Line Width(壁厚)と積層ピッチ設定による出来栄え影響を調査!

この記事の目的

みなさんこんにちは、ズーチーです!

今回は、Wall Line Width(壁厚)幅設定と積層ピッチ設定のプリント出来栄えへの影響について紹介です!

以前花瓶をプリントする際に壁1層でプリントするSpiralize Outer Contour(滑らかな外側輪郭)設定について紹介しました。

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この際にWall Line Width 幅を調整したりするのですが、ふと

そもそもノズル径に対してライン幅やピッチの設定を変えるとどうなるのか??

が気になってきました。

今まで基本的に

  • ライン幅 = ノズル径
  • 積層ピッチ = ノズル幅 / 2 or 4

の設定でしか使っていませんでした。

別に現状で問題はないのですが、このあたりに関して

  • 最適値があるのか?
  • 設定が適切でない場合どんな不良になるのか?

という疑問がわきます!!というわけで実際にやってみました!!

結論として以下の内容がわかりました!

○結論

  • 見た目は壁厚0.3mm〜1.0mmまではどれも綺麗
  • ノズル径に対して、75%〜250% 程度の壁厚設定であれば実用可能
  • 壁厚設定が1.0mm(ノズル径の250%)以上の場合、実壁厚は設定より薄くなる
  • 積層ピッチ設定は壁厚設定の75%以下としておくのが良い
  • 壁厚の実測値は積層ピッチによらず変わらない

では詳しく紹介していきますね!!!

 ☆ちなみに私の使用しているプリンターとフィラメントは以下です!


※PEIシート使ってない方はマジでおすすめなので是非試してみてください!!

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①準備

先ずは検証に使うモデルの紹介です!

超絶適当に20mm□の立法体パターンを作成して、スライサー設定のSpiralize Outer Contour(滑らかな外側輪郭)で壁1層のみのモデルとしてプリントしていきます!

このモデルを使ってプリントしていき、1層のみの壁の出来栄えがどう変わるかを見ていきます!

②ライン幅設定のプリント出来栄えへの影響

先ずは積層ピッチは固定してライン幅を変更していった時の出来栄えを確認します!

具体的な処理条件は以下です!

○処理条件

  • フィラメント:Pxmalion製ABSフィラメント
  • ノズル温度:240℃
  • ステージ温度:100℃
  • 冷却ファンスピード:60% (イニシャル0%)
  • プリントスピード:50mm/sec
  • ノズル径:0.4mm
  • 積層ピッチ:0.2mm
  • 壁厚(Wall Line Width):0.2〜1.2mm

結果はこちら!!

表:Wall Line Width(壁厚)設定影響

0.2mm
0.3mm
0.4mm
0.8mm
1.0mm
1.2mm

ノズル径0.4mmに対して、当然0.4mmの壁厚が良いものと思っていましたが、

○見た目は壁厚0.3mm〜1.0mmまではどれも綺麗

に仕上がっていますね!

また、透明フィラメントなので壁厚が厚くなると透明感もなくなり白っぽくなっているのがよくわかりますね!

ただ、0.2mmまで細くしたり、1.2mmまで厚くしたりすると同一ピッチ(0.2mm)ではうまくいきませんね!

○ノズル径に対して、75%〜250% 程度の変動幅であれば実用可能

という結果となりました!

また、ノズル径0.4mm / 積層ピッチ0.2mm に対して、壁厚のノギスでの実測値は以下です!

表:積層ピッチ別 壁厚実測値

壁厚設定(mm)壁厚Min(mm)壁厚Max(mm)
0.20.210.23
0.30.330.34
0.40.410.43
0.80.780.83
1.00.880.9
1.21.031.12

○壁厚設定が1.0mm(ノズル径の250%)以上の場合、実壁厚は設定より薄くなる

ということがわかりました!

とはいえ、壁厚も大凡設定通りにプリント出来ているのですね〜

③積層ピッチとライン幅のプリント出来栄えへの影響

次に、積層ピッチを変更して同様の検証を行っていきます!!

具体的な処理条件は以下です!

○処理条件

  • フィラメント:Pxmalion製ABSフィラメント
  • ノズル温度:240℃
  • ステージ温度:100℃
  • 冷却ファンスピード:60% (イニシャル0%)
  • プリントスピード:50mm/sec
  • ノズル径:0.4mm
  • 積層ピッチ:0.1〜0.5mm
  • 壁厚(Wall Line Width):0.4mm

結果はこちら!!

表:積層ピッチ 設定影響

積層ピッチ:0.10mm
0.15mm
0.20mm
0.30mm
0.40mm
0.50mm

積層ピッチ0.2mm以下であればほとんど積層痕は目立たないですね!

また、壁厚設定と同じ0.4mmのピッチでも一応形状としては問題なく出来ていますね!
理論上はギリギリのはずです!

一方でピッチ0.5mmとなると、実際の吐出材料の径よりピッチの方が大きくなるので隙間が空いてしまいますね!
壁面の角と中央を比較すると、隙間分だけ中央付近が垂れ下がっているように見えますね!

実際やってみると、わかりやすい変化が見てとれておもしろいですね!!

積層ピッチ設定は壁厚設定の75%以下としておくのが良い

と言えそうですね!

また、ノズル径0.4mm / 壁厚0.4mm に対して、壁厚のノギスでの実測値は以下です!

表:積層ピッチ別 壁厚実測値

積層ピッチ(mm)壁厚Min(mm)壁厚Max(mm)
0.10.390.42
0.150.400.45
0.20.410.43
0.30.440.49
0.40.400.42
0.50.420.44

積層ピッチが狭くなるとその分重なる材料が増えて壁厚は増加するのでは?と推測していましたが、そうでもないですね!

○壁厚の実測値は積層ピッチによらず変わらない

といえそうです!!!

④薄い壁厚設定でも積層ピッチ変化の影響

最後に、より厳しい条件として ノズル径0.4mm / 壁厚0.2mm の設定でピッチを変えてみました!

結果はこちら!!

表:積層ピッチ別壁面出来栄え(壁厚設定0.2mm)

積層ピッチ:0.1mm
0.2mm
0.3mm

積層ピッチを細かくしても壁厚0.2mmではどれも出来栄えは悪いですね!

やはり

○ノズル径の50%以下の壁厚設定ではきれいにプリントできない

ことがわかりました!!

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、Wall Line Width(壁厚)幅設定と積層ピッチ設定のプリント出来栄えへの影響について紹介しました!

結果として

○結論

  • 見た目は壁厚0.3mm〜1.0mmまではどれも綺麗
  • ノズル径に対して、75%〜250% 程度の壁厚設定であれば実用可能
  • 壁厚設定が1.0mm(ノズル径の250%)以上の場合、実壁厚は設定より薄くなる
  • 積層ピッチ設定は壁厚設定の75%以下としておくのが良い
  • 壁厚の実測値は積層ピッチによらず変わらない

ということがわかりました!

この結果はある意味予想通り(当たり前)な気もしますが、実際の厚さ出来栄えがあまり変わらないは意外でした!

今までほぼ積層ピッチ0.2mm / 壁厚0.4mm で固定でしたが、目的に応じて積極的にピッチ/壁厚設定を変更しても良さそうですね!

特に底面等面積が広く処理に時間がかかる層は、ピンポイントでライン幅設定を変えることで時短につながりそうですね!

そういったスライサー設定についても調べてみようと思います!!

3Dプリンター初心者の方々の参考になればうれしいです!ではまた!!