この記事の目的
皆さんこんにちは、ズーチーです!
PEIシートを知ってからというもの、専らABSフィラメントばかり使って3Dプリントを楽しんでいます!
ABSは反りと密着性の問題さえなくなれば、後加工もしやすく便利なんですよね〜♪
ただ、フィラメントは色々な種類・メーカーがありどれが良いのか迷ってしまいますよね!!
特に私も含め初心者の方はAMAZONでフィラメントを購入するのが最もお手軽ですので
今回は私が実際に使用したことのあるOverture / Pxmalion / RepRapper 製のABSフィラメントについて使用感をまとめて比較・紹介していきます!!
各フィラメントの細かい条件出しについては以下記事もあるので参考にしてくださいネ!
☆Overture
☆Pixmalion
☆RepRapper
☆ちなみに私の使用しているプリンターは以下です!
☆プリンターについてはこちら↓
①購入金額
先ずは一番大事(?)なコストについてです!
2021/10〜2022/10までのAMAZONでの販売価格を見ていくと以下のようです!
OVERTURE | Pxmalion | RepRapper |
2,100〜2,980 | 2,140〜2,880 | 1,990〜2,488 |
通常時の料金ではRepRapperフィラメントが最も安く入手でき、稀にあるタイムセールでの1度だけですが2000円を切る割引実績もありますので3つの中で最安です!
一方で、OVERTURE・Pxmalionのものは通常時は3000円弱ですが、タイムセールで2000円近くまで金額が下がることがある為、タイムセールのタイミング次第でどのフィラメントも最安値になりうると言えます!
とはいえ、いずれの場合も大きな金額差はないので性能面で満足できるものを選べばよさそうですね!
強いて挙げると、Overtureフィラメントは種類によって欠品のことが多いので入手性という面では少しネガティブですね!
②適正温度と密着性
次に適正な温度と密着性についてです!
ABSフィラメントの適正温度帯は240℃前後とされていますが、メーカーによって微妙に異なります!
実際に検証を行なってみて実用可能な温度範囲を調査しました!
いつも使っている倒れやすい条件でのステージからの剥がれやすさを見ていきます!
検証に使用するモデルは以下です!
5mm□から4隅1.5mm□をくり抜いた十字パターンを約60mm伸ばした細い棒パーツです。
LegoTechniqeの軸とかに使用されるパーツモデルですね!
これを縦に配置するととっても倒れやすいので密着性への感度が高いのかなー、と勝手に考えております。
以下の条件でプリントして、結果を比較してみます!
○実験条件
- ノズル温度:220〜260℃
- ステージ温度:80℃〜110℃
- 冷却ファンスピード:50% (initial 0%)
- プリントスピード:10mm/sec
結果はこちら!
○がプリント成功、×がプリント失敗した設定です!
結構違いが出ましたね!!
Overture / Pxmalion ではビルドプレート温度は90℃以上、 RepRapperでは100℃以上が適正なようです!
また、ノズル温度についてはOverture / Pxmalion では220℃〜260℃と幅広く、 RepRapperでは250℃以上 と高温よりの特性となりました!
まとめると以下の感じです!
- Overture
温度マージンが最も広い。ノズル240℃ × プレート100℃ が基本条件 - Pxmalion
温度マージンがやや広い。ノズル240℃ × プレート100℃ が基本条件 - RepRapper
温度マージンは狭い。ノズル250℃ × プレート100℃ が基本条件
ワースト条件に近いプリントで評価しているので、普通にプリントする分には実際はもう少し温度に対するマージンは広がるかと思います!
それぞれ適温で処理すれば出来栄えへは影響ありませんが、プリント失敗を考えると広い温度帯で処理可能だと選択肢が広がって良いですね!
ABSの場合、高温になればなるほど有害物質の発生も増えるので、換気を十分に行なった上でできるだけ低温で処理したいです。
そういった観点からは、Overtureが最も扱いやすいといえそうです!!
③冷却ファン設定評価
では次に冷却ファン設定による影響の評価です!!
冷却ファンが弱いとプリント中の最表面端が反る(尖る?)ことがあるので、プリントを途中で止めて形状を見ることで冷却が十分かどうか確認できます!
○実験条件
- ノズル温度:240℃(RepRapperのみ250℃)
- ステージ温度:100℃
- 冷却ファンスピード:0〜100% (initial 0%)
- プリントスピード:50mm/sec
結果は以下です!
冷却ファン | Overture | Pxmalion | RepRapper |
0% | |||
20% | |||
40% | |||
60% | |||
80% | |||
100% |
冷却ファンスピードが0%・20%ではモデル最表面が平坦にならず、ノズルに接触した焦げつきも見えますね!
ただどのフィラメントでも冷却性のはほぼ変わらず、
○冷却ファンスピードは40%以上(50%前後が適正)
と言えそうです!
強いて言うなら、RepRapperが僅かに冷却不足の反りが大きいように見えますね!
(ノズル温度が他より高い影響かもしれません!)
④3D Benchyでの総合評価
最後に、3D Benchyモデルを使った見栄えを確認していきます!
○実験条件
- ノズル温度:240℃(RepRapperのみ250℃)
- ステージ温度:100℃
- 冷却ファンスピード:60% (initial 0%)
- プリントスピード:50mm/sec
Overture | Pxmalion | Reprapper |
どれも糸引きもなく出来栄えは上々だと思います!
気になる点は色味ですね!!
Overtureはかなり真っ白な見た目ですが、RepRapperは白というよりアイボリーとか乳白色といった感じです!
Pxmalionはその中間くらいといった色味ですね!!
また、質感はPxmalionが最も滑らかな印象です!
加工をせずにフィラメントの白色をそのまま活かしたい場合はOvertureが推奨で
塗装を行う前提や色味を気にしない場合はPxmalion/RepRapperも候補に入ってくるかと思います!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は各メーカーのABSフィラメントについてOverture / Pxmalion / RepRapper の3社で比較してみました!
まとめると
- 価格 :僅かな差だがOverture < Pxmalion < RepRapper
- 適正温度帯:Overture = Pxmalion < RepRpper
- 冷却性能 :大きな差はなくファンスピード50%前後を推奨
- 色味 :Overtureが最も真っ白に近く、その他は乳白色
となります!
総合的にはやはりOvertureが使い勝手が良い印象がありますが、他のフィラメントも大きな問題はないので好みに応じて選択して良いと思います!
一つ注意点として、Pxmalionはフィラメント絡みが多い印象です!
今まで購入した3/4回絡み発生しました・・・(私の引きが悪いだけかも)
Overtureでもたまーに起こりますが頻度は高くないですね!
そういった観点では、初心者の方はOvertureかRepRapperがおすすめといえます!!
(個体差次第ですが・・・)
各フィラメントの細かい条件出しについては以下記事もあるので参考にしてください!
☆Overture
☆Pixmalion
☆RepRapper
どれも十分に扱いやすいABSフィラメントだと思います!
3DプリンターでABSフィラメントを検討している方の参考になれば幸いです!ではまた!!