3Dプリンター

【3Dプリンター条件出し】初心者向けおすすめのベンチマークモデルを紹介!

この記事の目的

みなさんこんにちは、ズーチーです!

今回は3Dプリンター初心者向けにおすすめなksr_fdmtestというベンチマークモデルの紹介です!!

ずばり、こんな感じの色々なプリント特性を見ることができるモデルです!

このモデルは KickstarterAutodesk社 との協力によって作られた物だそうです!

↓モデルは以下からダウンロードできます!

https://github.com/kickstarter/kickstarter-autodesk-3d/tree/master/FDM-protocol

Autodesk社は言わずもがなFusion360でいつもお世話になっているあの会社ですね!

Kickstarterはよく知らなかったのですが、アート関連のクラファンみたいな感じです!

Kickstarter は、パブリック・ベネフィット・コーポレーション(PBC)であり、クリエイティブなプロジェクトを実現させるための場所です。映画、ゲーム、音楽、デザイン、テクノロジーなど、様々なカテゴリーの中からアイディアが生まれ、他のユーザーの支援によって形になり、世に送り出されていきます。
Kickstarter はお店ではありません。バッカー(支援者)は、クリエイター(プロジェクト作成者)のクリエイティブな取り組みを支援し、その目標を実現させるためにプロジェクトへのプレッジ(支援)を行います。

https://help.kickstarter.com/hc/ja

私は普段はベンチマークとして定番の “3DBenchey” であったり・・・

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これらでも出来不出来は評価できますが、今回紹介する ksr_fdmtest というモデルでは

以下のように、より細かく且つ具体的なパラメータを確認可能です!

  1. Dimensional Accuracy:寸法精度
  2. Fine Flow Control:フロー制御/糸引き確認
  3. Fine Negative Features:微小スペースの制御性
  4. Overhangs:オーバーハング特性
  5. Bridging:ブリッジ特性
  6. XY Resonance:XY共振特性
  7. Z-axis alignment:Z軸位置合わせ

もちろん、その分お時間はかかってしまいますがより細かい特性を確認したい方にはおすすめです!!

また、各項目の出来栄えを点数評価することができその総合点で定量評価できるようになっています!

これまた色々なフィラメントの比較にありがたいですよね!

それでは、ベンチマークモデルksr_fdmtestについて詳しく紹介していきます!!

 ☆ちなみに私の使用しているプリンターとフィラメントは以下です!


※PEIシート使ってない方はマジでおすすめなので是非試してみてください!!

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モデルのプリント

では早速以下からデータをダウンロードして作成してみました!!

https://github.com/kickstarter/kickstarter-autodesk-3d/tree/master/FDM-protocol

早速プリントしてみます!

プリント条件は以下です!!!

○プリント条件

  • 3Dプリンター:QIDI Tech imate-S
  • フィラメント:Overture製ABSフィラメント
  • ノズル温度:250℃
  • ステージ温度:100℃
  • 冷却ファンスピード:60% (イニシャル0%)
  • 積層ピッチ:0.2mm
  • プリントスピード:50mm/sec

結果はこんな感じです!!

そこそこできていそうですね!!

では、項目ごとに出来栄えと点数の付け方を見ていきましょう!!!

①Dimensional Accuracy:寸法精度

ではまず Dimensional Accuracy:寸法精度 から見ていきましょう!!

確認する箇所は以下の円柱が段々に積み上がっている構造の部分です!!

ここはCAD上 25 / 20 / 15 / 10 / 5 mm と設計されていて、実測値と理論値の差を評価します!!

X/Y側をそれぞれノギスで測っていきます!!

実測結果はこんな感じです!!!

設計値(mm)測定値X(mm)測定値Y(mm)誤差X(mm)誤差Y(mm)
2524.9424.920.060.08
2019.9719.930.030.07
1515.0514.990.050.01
1010.0610.020.060.02
54.964.990.040.01
平均誤差0.0480.038
全体の平均誤差0.043

この項目では、全体の平均誤差の値を以下のようにスコア判定するそうです!!

  • 0.40mm < 平均誤差 → 1点
  • 0.31 < 平均誤差 < 0.40mm → 2点
  • 0.21 < 平均誤差 < 0.30mm → 3点
  • 0.21 < 平均誤差 < 0.20mm → 4点
  • 平均誤差 < 0.10mm → 5点

今回の結果では平均誤差が0.043mmなので、5点貰えましたね!!!

②Fine Flow Control:フロー制御/糸引き確認

次に Fine Flow Control:フロー制御/糸引き確認 を見ていきましょう!!

確認する箇所は以下の細い柱状パターンが並んでいる部分です!!

ここの判定は柱の長さと糸引きの見た目で、以下のスコア基準だそうです!!

  • 柱の長さが30mm未満(設計値40mm) → 0点
  • 柱の長さが30mm以上だが、柱間に糸が張っている → 2.5点
  • 柱の長さが30mm以上で、柱間に糸が張っていない → 5点

今回の結果では40mm全てプリントできていて、若干の糸引き程度なので5点貰えましたね!!!

Fine Negative Features:微小スペースの制御性

次に Fine Negative Features:微小スペースの制御性 を見ていきましょう!!

確認する箇所は以下の円柱が並んでいる部分です!!

これ、図でわかるようにピンが抜けるようになっています!

円柱部分が独立してプリントされていて、どんどん穴との隙間が狭くなっている形です!

0.2 / 0.3 / 0.4 / 0.3 / 0.5 と書いてありますが2番目の 0.3表記は謎です・・・

ここでの判定は工具無しでピンが何本取り外せるか、がスコア基準だそうです!!

  • ピンを外せない場合 → 0点
  • ピンを外せた個数 → 1〜5点

今回の結果ではピンを3本外せたので3点貰えましたね!!!

④Overhangs:オーバーハング特性

次に Overhangs:オーバーハング特性 を見ていきましょう!!

確認する箇所は以下のオーバーハング部分です!!

ここの判定は45度のオーバーハング部の出来栄えを基準としてどこの角度まで同等の出来栄えが維持できているか?でスコア判定するようです!

完全に見た目なのでちょっと判断難しいですね!!

  • 45度のオーバーハングとそれ以外の形状が異なる → 1点
  • 45度のオーバーハングと20度以下の部分の形状が異なる → 3点
  • 45度のオーバーハングと15度の部分のみ形状が異なる → 4点
  • 45度のオーバーハングと全て形状が同じ → 5点

今回は下図の右半分(20度/15度オーバーハング)が微妙な出来なので3点ですね!!!

⑤Bridging:ブリッジ特性

次に Bridging:ブリッジ特性 を見ていきましょう!!

確認する箇所は以下のブリッジが並んでいるパターンです!!

ここの判定はブリッジが垂れて下のパターンと接しているかどうかです!
下パターンと接触したブリッジの数で点数が決まるそうです!!

  • 下パターンへ接触するブリッジが4つ以上 → 1点
  • 下パターンへ接触するブリッジが3つ → 2点
  • 下パターンへ接触するブリッジが2つ → 3点
  • 下パターンへ接触するブリッジが1つ → 4点
  • 下パターンへ接触するブリッジなし → 5点

今回の結果では全て垂れずに橋が形成されているので5点貰えましたね!!!

⑥XY Resonance:XY共振特性

次に XY Resonance:XY共振特性 を見ていきましょう!!

確認する箇所は以下メモリが刻んである部分です!!

X/Yの駆動が共鳴して余計な振動を与えてしまうと、中央の長いバーから横方向に残像のように見えることがあるそうで、その判定ですね!

ここの判定は柱の長さと糸引きの見た目で、以下のスコア基準だそうです!!

  • XYどちらかで残像がメモリ3つ分以上発生している場合 → 0点
  • 残層がない 又は メモリ2つ分以内で収まっている → 2.5点

かなりわかりにくいですが、上記画像では残像出てなさそうなので2.5点とします!!!

⑦Z-axis alignment:Z軸位置合わせ

最後に Z-axis alignment:Z軸位置合わせ を見ていきましょう!!

確認する箇所は以下の細い柱状パターンの下にある太い柱部分です!!

これもイメージつきずらいですが、積層ピッチと別にZ軸のスクリューの周期で層のガタつきが見られるかどうかを判定するそうです!!

  • Z軸スクリュー周期でのがたつきあり → 0点
  • がたつきなし → 2.5点

これ写真で見ると何やら周期的ながたつきに見えなくもないですが、実際のNG例程ひどくないし、直で見ると全く目立たないので今回は2.5点としておきます!!

あってるか自信ないです!!!笑

最終判定

ようやく全項目見終わりました!

いよいよ最終スコア確認です!!!

  1. Dimensional Accuracy:寸法精度 → 5点
  2. Fine Flow Control:フロー制御/糸引き確認 → 5点
  3. Fine Negative Features:微小スペースの制御性 → 3点
  4. Overhangs:オーバーハング特性 → 3点
  5. Bridging:ブリッジ特性 → 5点
  6. XY Resonance:XY共振特性 → 2.5点
  7. Z-axis alignment:Z軸位置合わせ → 2.5点

合計 26/30 点 でした!!!

特に調整してませんが9割近い得点ならまずまずじゃないでしょうか?

こういった定量的に数値化して比較できると、フィラメント比較時の参考になりますし、

なにより点数でると高得点狙いたくなりますね!!

このモデル、ひとつの指標としてとてもおすすめなので是非お試しください!!!

https://github.com/kickstarter/kickstarter-autodesk-3d/tree/master/FDM-protocol

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回はksr_fdmtestというベンチマークモデル紹介してみました!

7つの3Dプリント基本特性を1モデルで確認できるのでとても便利なモデルです!!

その分出力には時間がかかるますが(7時間くらい)・・・

細かな条件出しをした後に、最終確認として使うと定量評価できてわかりやすいかもしれませんね!

今回試してみてスコアが思ったよりよかったですが、このモデルは数年前に発表されていて、今では3Dプリンターの性能自体かなり向上しています!!

そういった意味ではモデルの評価感度としては下がってきていて高得点が出て当たり前かもしれませんね!!

最新のベンチマークモデルがないか、気にしていこうと思います!

とはいえ、プリントしてみると結構勉強になる部分が多いので、是非試してみてはいかがでしょうか?

3Dプリンター初心者の方の参考になれば幸いです!ではまた!!