この記事の目的
みなさんこんにちは、ズーチーです!
今回は3Dプリンターでの失敗例の紹介です!!
最近は専らABSフィラメントを使用して順調にプリントしていたのですが・・・
ある時から急にプリント失敗が続いてしまい、元々の条件では一向にプリント成功しなくなってしまいました!
結局のところ再度条件出しを行いなんとかプリントできる状況にはなりましたが、明確な原因は掴めず・・・
もしかしたら同じような状況になって困る方もいるかもしれませんので、
今回は突然のプリント失敗時に私が行った原因調査と対処について紹介します!!
☆ちなみに私の使用しているプリンターとフィラメントは以下です!
※PEIシート使ってない方はマジでおすすめなので是非試してみてください!!
☆プリンターについてはこちら↓
①状況整理
今回不具合が起きたものは “Pxmalion” 製のABSフィラメントです!
ちなみにですが、他にもABSフィラメントは以下を使用しています!
- Overture
- RepRapper
個人的にはどれも良いフィラメントだと思っていて、大きな問題もなく使用できていました。
ところが・・・
Pxmalionのフィラメントを使用していた時、突然連続してプリント失敗が発生しました!
発生の状況としては以下です!
- 失敗内容はプリント中のモデル剥がれ(密着性低下)
- 条件出しで算出した最適条件で、フィラメント開封から1/4程は安定してプリントできていた
- 同日に連続してプリントしていた中で、突然プリントが失敗し始めた(開封後期間が空いた訳ではない)
- 過去できていたモデルで処理しても100%失敗が続いた
突然且つ初めてのことでしたので、正直かなり焦りました・・・
過去の条件出し結果から、処理条件は以下内容で行なっていました。
○基本条件
- フィラメント:Pxmalion製ABSフィラメント
- ノズル温度:240℃
- ステージ温度:100℃
- 冷却ファンスピード:100% (イニシャル0%)
- プリントスピード:50mm/sec
条件出しについては以下の記事を参照してください!
この条件では何をやってもうまくいかなかったので、再度条件出しを行いました!!
②再条件出し
今回はモデルが途中でビルドプレートから剥がれてしまうので間違いなく密着性の問題と思われます。
PEI素材のプレートシートにしてからというもの密着性での不具合はほぼ無かったので油断していました・・・
PEIプレートの場合密着性がかなり良く、反りによる剥がれの影響はかなり小さいです。
その為、プリント中の反りではなくそもそも1stレイヤー時点から密着性が良くないと思われます。
それを念頭において密着性評価していきます!検証に使用するモデルは以下です!
5mm□から4隅1.5mm□をくり抜いた十字パターンを約60mm伸ばした細い棒パーツです。
LegoTechniqeの軸とかに使用されるパーツモデルですね!
これを縦に配置するととっても倒れやすいので密着性への感度が高いのかなー、と勝手に考えております。
以下の条件でプリントして、過去に同等の実験を行った際のデータと比較してみます!
○実験条件
- ノズル温度:220〜260℃
- ステージ温度:80℃〜110℃
- 冷却ファンスピード:100% (initial 0%)
- プリントスピード:10mm/sec
結果です!!
※○がプリント成功、×がプリント失敗、△はギリギリ最後の方でモデルが剥がれてしまった設定です!
初回条件出しではノズル温度230℃以上 且つ ステージ温度100℃以上 で安定してプリントできていたましたが・・・
不具合が起きた後に再度条件出しをしたところ、ノズル温度260℃・ステージ温度100℃以上でないと上手くプリントが出来なくなっていました!!
結果として、
○開封直後の状態より、ノズル温度の適正値が30℃プラスにシフトした
といえそうです。
ちなみに発生したのは2022年7月中旬頃なので、梅雨時期といえばそうですね。
腑に落ちませんが、今後は ノズル温度を260℃にシフトさせた条件 で使用していこうと思います!
※その後、8月に入り再度同じ条件出しを試みたところ、なんと初回条件出しと同じ結果に戻っていました!!
更に腑に落ちないですが、装置側の不具合ではなさそうでよかったです!!
2022年の8月はまだ長雨が続いていたので、梅雨起因の線も薄くなってしまいましたね・・・
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、日頃上手くプリントできていた条件で突如として密着性不良が多発する事例について紹介しました!
結果として、適正なノズル温度が30℃プラス側にシフトしていたことがわかりました!
湿度や気温等の周りの環境影響も考えられますが、同じ日に何度か問題なくプリントしている中で突如として密着不良が出てきたので中々納得いきません・・・
とはいえフィラメントが元々途中で品質が変わっていたということも考え辛いので・・・吸湿の影響でしょうかね??
正直フィラメントの管理はほぼしていないようなものなので、湿度対策も考えていった方がよいのかもしれません。
とはいえプリントできなくなった訳でもないので、これからも3Dものづくりに積極的に取り組んでいこうと思います!
こんなこともあるんだなー程度のお話でしたが、3Dプリンター初心者の方々の参考になればうれしいです!
ではまた!!